自分がその一部になりたいと思うような世界の印象的なイメージを作ること
William Morris Heaven
選び抜いた素材を用い、美しく、独創的な商品を作れば、値段は高価であっても必ず売れる。
Tom Ford
空間的羨望と溶け込むような一体感が印象的な世界をつくる。
カタログ販売を思いついた。
美しい商会のパンフレットが作られ、顧客はショールームに足を運ばなくとも、これらの商品を自由に注文することができる。モリス商会は、割引価格で販売することは決してなく、階級や社会的立場に関係なくキャッシュ払いが要求された。代金は「商品の配達から1か月以上支払いのない場合、年間5%利息が付加されます。」という注意書きがあった。
クリエイティブな世界で職種にこだわらず自由に働けるということは、モリスにとって悦びであった。モリスは基本的に仕事への希求が高く、完璧なまでにもそれを追及しようとしたのだ。それは綿密な研究と度重なるテストに裏打ちされ新しい製品へと繋がっていった。モリスはいったん一つのことを成し遂げると、すぐさま次の目標へと一目散に駆け出していき、休む間もなく、終わりのない創作活動に取り組むのだった。モリスはそれぞれの仕事に最善を尽くしながら、同時に多くの仕事を並行して進めることのできるマルチ人間でもあった。
村上春樹の「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」の帯に「すごくいい質問ですね。僕には答えられない」とある。答えられない、答えがない質問をすることが、レベル感の一致を匂わせる。一体感と呼ばれるものは定義が難しい。
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